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オリンピック・パラリンピック
スケーティング動作による疲労からのリカバリー
2022.02.14
北京オリンピックも残すところ1週間となりました。日本選手の活躍は日々報道され、特にハーフパイプの平野歩夢選手の金メダルの滑りは世界の人々を仰天させました。また、フィギュアスケートの鍵山優真選手や宇野昌磨選手、スピードスケートの高木美帆選手や森重航選手、スキージャンプの小林陵侑選手など、素晴らしいパフォーマンスによりメダルを獲得しました。本当におめでとうございます!!
オリンピックも中盤となり、日々の調整や練習でかなり疲労も蓄積しているのではないでしょうか。そこで、今回は、ウィンタースポーツを焦点にあててリカバリー方法の提案をしたいと思います。
ウィンタースポーツの中で、スケーティング動作を伴う種目はアイスホッケー、クロスカントリー、ショートトラック、フィギュアスケート、スピードスケート、ノルディック複合の種目があります。
スケーティング動作は、氷や雪面を蹴る動作と体重移動して滑走する動作を交互に繰り返します。氷や雪面を蹴る動作時には、蹴る側の脚は外旋し、横または斜め後方へ蹴ります。その際に、股関節の外旋、外転、伸展動作と膝関節の伸展動作が伴います。同時に、前方に滑走する際には、滑走側の股関節の屈曲と膝関節の屈曲が伴います。
また、スケーティング動作において、前方へのプッシュオフ動作時には大内転筋の高い筋活動が報告されています。特に、アイスホッケーやフィギュアスケートでは、前方だけでなく後方や回転動作を頻繁に繰り返す競技なので、股関節の伸展、外転、内転、外旋と膝関節の伸展動作が伴い、殿筋群、ハムストリングス、内転筋群、梨状筋などの外旋筋群、大腿四頭筋がかなり使われていることが明らかです。
スケーティング動作で使われた筋群のリカバリーには、フォームローラーエクササイズがお勧めです。ここに5つのエクササイズを紹介したいと思います。
そのプロトコルは、左右の部位それぞれ 『フォームローリング45秒 + レスト15秒』で1セット(10分)、この手順を2セット行います(20分)。
図A:大腿四頭筋
図B:内転筋群(大内転筋など)
図C:ハムストリングス
図D:外転筋群(大腿筋膜張筋など)
図E:外旋筋群(梨状筋など)
参考文献
Mohney G, et al. Strengthening the figure skater: considerations for injury prevention and performance. Strength Cond J, 2019, 39(3): 58-65.
Nightingale, SC. A strength and conditioning approach for ice hockey. Strength Cond J, 2016, 36(6): 28-36.
O’Shea P. ノルディックスキー:ダイアゴナル滑走とスキースケーティング.Strength Cond J Japan, 2006, 13(10): 3-10.
Pearcey GEP, et al. Foam rolling for delayed-onset muscle soreness and recovery of dynamic performance measures. J Athl Train, 2015, 50(1): 5-13.