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スポーツ傷害

ケガにアイシングはNG?

2022.03.15

軟部組織(筋、腱、靭帯など)の受傷後にアイシングはNG?

 

 これまで急性傷害にはアイシングをするのが一般的な応急処置法です。日本のスポーツ医学分野では、傷害の応急処置の定番はRICEが1980年代から提唱されてきました。その後、RICESやPRICEに変遷し、近年ではPOLICEが紹介されてきました。ところが、アイシング、つまりケガをした部位にアイシングを繰り返すことは、傷害部位の回復を遅らせることを指摘する研究者が現れました。これはまさに驚きの指摘です!!

 その指摘は以下の通りです:

1.炎症反応は組織の修復に必要不可欠である。

2.アイシングは修復細胞がケガした部位に入ることを妨げる。

3.炎症反応を抑えること(例:消炎鎮痛剤の服用、アイシングなど)は修復を遅延させる。

4.アイシングは、筋力、スピード、持久力、コーディネーションを低下させる。

 Dr. Mirkinによると、軟部組織のケガをした場合の処置提案は以下の通りです。

 アイシングは急性の痛みを軽減できるので、10分程度のアイシングをし、その後20分間はアイシングを取り、弾性ラップ(バンテージ)による患部の圧迫を行う。10分間のアイシングは1~2回までとする。ケガの程度にもよりますが、ケガの程度が軽ければ、翌日からリハビリテーションを開始することが望ましいようです。患部の痛みが増加しない動きやエクササイズを選択し、積極的に動かすことが早期回復には重要なようです。今後さらに研究が進み、適切なプロトコルが確立させることを期待したいと思います。

 

参考文献

Guilhem G, et al. Effects of air-pulsed cryotherapy on neuromuscular recovery subsequent to exercise-induced muscle damage. Am J Sports Med. 2013, 41(8): 1942-1951.

Why Ice Delays Recovery, https://www.drmirkin.com/fitness/why-ice-delays-recovery.html

参照日:2022年1月28日.

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